2003年8月22日 東北学院大学文学部史学科 考古学佐川ゼミナール |
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本調査は8月12日から実施し、8月24日に完了する予定です。本調査では3×3mの調査区を3つ(G15、I14、L15・16)と1.5×1.1mの調査区を1つ(L16)設定して、調査しました(図3)。 その結果、まず@1層(表土)と2層(腐植土)から弥生時代と縄文時代の土器が出土しました(図1)。それらはいずれも小破片であり、縄文時代の石器も遺構も目下発見されていないことから、本調査地は当該期の主たる包含地とはいえません。 Aつぎに黄褐色粘質土である3層、4層、5層からはナイフ形石器(図2)を含む玉髄製石器が出土しました。その点数は少ないですが、異なる地層から石器を検出した意義は大きいです。L15とL16の1層からは、3〜5層の黄褐色粘質土がわずかに付着した石器が出土しました。これらも旧石器ですが、その出土状況から見て、本調査地の西側隣地が造成された際に出土したものが、投棄されたと考えられます。 B本調査地北端のP12では、基本層序を検討しました(図1)。P12では3層と4層が欠落し、2層(腐植土)下がすぐ5層となります。さらに8層が川崎スコリア層(約3万年前)、11層が愛島(めでしま)軽石層(約7万年前)であることが判明しました。本調査では14層まで確認しましたが、いまだ礫層や基盤層に到達していません。この検出は今後の課題です。 CP12の基本層序確認調査地では、地層の年代測定や地層を構成する火山噴出物(テフラ)の分析を行う予定です。このような自然科学的分析は、宮城県南部の考古遺跡において従来ほとんど行われておらず、1つの基準となることが期待されます。 D本調査地周辺の地下には、旧石器の主たる石材である玉髄を芯部に含む珪化木が埋蔵されています。今後、その入手方法や加工法についても、検討する予定です。 |
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現地説明会資料(PDF形式) |
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